梨子「鈍い獣の流す涙よ」

ホラー, ラブライブ!サンシャイン!!, 鬱展開・残酷描写

1: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:06:30.81 ID:0TbttT5L.net
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第□△回ラブライブ開催決定!
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NOK賞受賞『鈍獣』続々重版!
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キキィーーーッ

ドッ

「線路内に障害物があったため、列車を急停止しています。ご迷惑をおかけします」

2: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:07:32.92 ID:0TbttT5L.net
沼津駅

 

梨子「ふぅ……沼津も久しぶりね」

梨子「この空気、懐かしいわ」スゥゥ

梨子「みんな元気かしら」

曜「梨子ちゃん! 久しぶり!」

梨子「曜ちゃん! わざわざお迎えありがとうね」

曜「もちろんだよ! 他のみんなもお店で待ってるよ!」

梨子「お店って……十千万? 」

曜「もちろん!」

梨子「本当にもう旅館じゃなくなっちゃったの?」

曜「この辺一帯はほとんどがオハラグループの手の内になったからね」

梨子「そうだったんだ……」

曜「でも、バーになってからもなんとか経営できてるみたいだよ! 私も毎日貢献してるからね!」エッヘン

梨子「それならよかったわね。じゃあ、歩きながら話しましょうか」

 

3: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:08:35.63 ID:0TbttT5L.net


 

梨子「それじゃあ、千歌ちゃんと善子ちゃんがバーの従業員なんだ」

曜「そして店長は果南ちゃん!」

梨子「えぇ……大丈夫なのかしらそれ」

曜「うーん、そもそも最初はホストクラブだったんだけどね」

曜「果南ちゃんが自分よりモテる子をクビにしちゃうから、いつの間にかスナックみたいになっちゃって」

梨子「私が東京に行ってから色々変わったのね……」

梨子「そうだ、花丸ちゃんのことなんだけど――」

曜「その話は、着いてからにしよっか」

梨子「え、うん……」

 

4: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:09:42.96 ID:0TbttT5L.net
カランコロン

 

曜「みんなー! 梨子ちゃんが帰ってきたよ!」

千歌「梨子ちゃん! 久しぶりなのだー!」

善子「深淵に沈みしリトルデーモン……よくぞ蘇った!」

梨子「ふふ、みんな久しぶりね」

梨子「って、これだけ!? 店長の果南ちゃんは!? 他のメンバーは!?」

千歌「果南ちゃんはー、ちょっとお出かけ」

善子「黒澤姉妹は外せない仕事よ」

曜「鞠莉ちゃんも忙しいみたい」

梨子「そうなの……まあ、こうして会えただけでも嬉しいわ」

梨子「それで、花丸ちゃんは――」

善子「死んだでしょ」

 

5: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:10:45.21 ID:0TbttT5L.net
千歌「善子ちゃん……」

 

善子「7年前、ラブライブの終わった後に車に轢かれて……」

善子「あれ? 電車だっけ?」

曜「海に沈んで流されちゃったんじゃなかった?」

千歌「違うよ! 食べ過ぎでお腹が破裂して……」

梨子「ちょっと待って!!」

千歌「待つよ」

梨子「あなたたちふざけてるの?」

善子「まさか! ずら丸の死を冒涜する理由なんてないわ!」

千歌「本当に残念だったよね……」

曜「梨子ちゃんが未だに受け入れられないのも無理ないよ……」

 

7: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:11:55.75 ID:0TbttT5L.net
梨子「ええ、ええ、わかってるわ」

 

梨子「花丸ちゃんは死んだ。7年前からはっきりと理解しているわ」

梨子「でも」

梨子「最近、ここに花丸ちゃんが来たことがあるんじゃない?」

千歌「……」

曜「……」

善子「……」

 

8: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:13:04.40 ID:0TbttT5L.net
梨子「なんてね」

 

梨子「私、いま出版社で働いてるの」

梨子「ある日とある作家の担当になったと思ったら、なんとびっくりその人は――」

曜「今をときめくNOK賞作家で、花丸ちゃんと瓜二つの、花○だった……ってとこ?」

※「花○」:読み「はなまる」

梨子「……」

梨子「まあ、当然知ってるわよね」

梨子「失踪した花○先生が持っていたこのお店の名刺を頼りにここまで来たんだから」

梨子「まさかみんなが働いているとは思わなかったけど」

 

9: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:14:10.15 ID:0TbttT5L.net
千歌「あのね梨子ちゃん」

 

千歌「確かに花○先生なら、よくこのお店に通ってたよ」

曜「うんうん、よく一緒に飲んだなぁ」

善子「あんまり似てるから最初は幽霊かと思ったわ」

梨子「それじゃあ、今はどこにいるのか知っていたら教えてもらえる?」

千歌「うーん、その辺ちょっとややこしくて」

曜「ほんとほんと」

善子「混沌の闇が手招いてるのを感じるわ」

梨子「はぐらかさないで! ここで待ってれば会えるの?」

千歌「うーん……」

 

10: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:15:15.61 ID:0TbttT5L.net
カランコロン

 

果南「おいっすー」

千歌「あっ!果南ちゃんお帰りー!」

果南「おっ、梨子じゃん。ますます綺麗になっちゃって」

梨子「なっ//」

果南「曜、これサンキュ」ポイッ

曜「おっ、紙袋に入れてくれてるとは丁寧でありますな!」

果南「そりゃあねぇ」クスッ

梨子「そんなことより! いきなりで悪いんだけど、花○先生がどこにいるか知りたいんだけど」

果南「……やっぱりね。そのために戻ってきたってわけだ?」

 

11: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:16:23.58 ID:0TbttT5L.net
果南「どこまで聞いたの?」

 

曜「このお店に花○先生が来てたってことだけだよ」

果南「そっか。じゃあ最初から話してあげるよ」

果南「あれはちょうど1年前……」

果南「っと、その前に……」ガサッ

千歌「!!」

善子「『週間パール』? そんなもの読んでたっけ?」

千歌「……」ソーッ

果南「千歌、逃げるな」

千歌「やだやだやだ!」

果南「その反応で既に中を見るまでもなさそうだけど」

果南「そうだ、梨子が開いてみなよ。袋とじのとこ開けてさ」スッ

梨子「袋とじって……まさか……」ガサガサ

千歌「やだー!!見ないでー!!」

 

12: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:17:26.77 ID:0TbttT5L.net
梨子「オーゥ……」

 

果南「鼻血垂らすなよ……おい千歌、脱ぎやがったな」

千歌「だって簡単にお金もらえるからいいかなって!! 十千万への援助にもなるし!!」

果南「それは大丈夫だって言ってんだろ。あれが賞取ったみたいだしこれからもっと印税入ってくるって」

梨子「えっ? 本でも出したの?」

果南「あ」

梨子「あ、じゃなくて」

果南「……」

果南「あれはちょうど1年前……」

梨子「このタイミングで再開するの!?」

梨子「まあいいわ……1年前といったら『鈍獣』の連載が始まった頃ね」

果南「そう、たまたま千歌がそれを見つけてきたのが始まり……」

 

13: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:18:29.51 ID:0TbttT5L.net
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―――

 

バー十千万

善子「相変わらずお客さん来ないわね」

果南「じゃあ呼び込みでもしてきてよ。客入ってもろくに接客できないくせに」

善子「うぐっ……そんなことは……」

曜「ちょっとー! 私は立派なお客でありますよー!」

果南「毎日いるから店の備品だと思ってたわ」

曜「あちゃー! 手厳しいでヨーソロー!」

カランコロン

千歌「大変だよ大変!」

曜「おおー千歌ちゃん! 待ってたであります!」

果南「一体どうしたの?」

 

14: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:19:37.14 ID:0TbttT5L.net
千歌「志満ねえが買ってた文芸誌によからぬ小説が連載してたから持ってきた!」

 

果南「小説でも連載とかあるんだ」

曜 (!?)

曜「どんな話なの?」

千歌「えっと……ほらこれ。『鈍獣』っていう奴」スッ

千歌「私達が読めばすぐわかるんだけど、Aqoursの話だよ。絶対」

千歌「シチュエーションからストーリー、キャラクターの感じまであの時の私達のことにそっくり」

果南「ふぅん……」ペラペラ

果南「ペンネームは花○、か」

 

15: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:20:38.89 ID:0TbttT5L.net
善子「花○って……これずら丸よね……?」

 

果南「かもね」

曜「まさか~」

曜「他のメンバーの誰かがその名前でやってるんでしょ?」

果南「なんのためにだよ。罪悪感から? 今更そんな……えっと……贖罪? みたいなことする奴いるわけない」

果南「その小説の行く先は決まってる。そしたら、あたしらみんな破滅だよ。今のクソみたいな生活は気に入ってるけどそれも終わりになるね」

曜「ここがなくなるのは困るであります!」

果南「だからそれどころじゃないって……」

果南「とにかく、花丸が実は生きていて、もしこれが本物の花丸が書いているものだったら」

果南「ちょっとまずいね」

千歌「うん……」

 

16: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:21:45.62 ID:0TbttT5L.net
曜「この花○って人を探し出して、連載を止めてもらうよう頼もう! 東京に行こう!」

 

果南「そっからどうやって探すんだよ」

善子「それに東京にいるとは限らないわ。小説なんてどこでも書けるもの。出版社の方を脅迫すれば確実よ」

果南「すぐ捕まるっつーの」

果南「鞠莉かダイヤに頼めば差し止めくらいなら簡単に……いや、そうしたら花○がどう出るかわかったもんじゃない」

果南「さて、どうしたもんかな」

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17: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:22:47.09 ID:0TbttT5L.net
梨子「ねぇ、どうして『鈍獣』の連載があなたたちの破滅に繋がるわけ? ていうかその破滅するのって私も入ってる?」

 

曜「梨子ちゃんは『鈍獣』が始まった頃にはもう花○先生の担当だったの?」

梨子「(流された……) ええ。確かに原稿を見た時は、Aqoursのことは少しは想起したけど」

善子「まんまでしょうが!」

梨子「たまたまよ。頭の中のアイデアをパクられたなんて言うつもり?」

 

18: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:24:30.43 ID:0TbttT5L.net
梨子「ちなみに、花○先生は花丸ちゃんとは別人よ。実際に会って一緒に仕事してたからわかるわ」

 

果南「まあそう思うよね。だって花丸は死んだと思ってたんだから」

果南「でも、他人の空似にしてはあまりにも出来すぎてるんだよなぁ」

梨子「……それでどうやって花○先生を見つけ出したの?」

果南「それがなんと、あの後すぐ向こうからやって来たんだよ」

 

19: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:26:04.63 ID:0TbttT5L.net
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バー十千万

カランコロン

?「おしまい? もうおしまいずら?」

千歌「やってるよーいらっしゃい、って……」

善子「ずら丸!?」

曜「そっくりさん……いや似すぎ……本人じゃ……」

果南「……」

果南「入りなよ。小説家の花○先生」

花○「なんでわかったずら? お邪魔するずら」

果南「まあゆっくりしていってよ。ほら、座って」

花○「いいお店ずらね」

果南「ありがとう」

千歌「なに飲みますー? シャイニーの水割りなんかどうですか?」

花○「それでいいずら」

千歌「善子ちゃん、お願い」

善子「ええ」

 

20: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:27:26.55 ID:0TbttT5L.net
果南 (曜、適当に探ってみて)

 

曜 (ラジャー!)

曜「花○先生! 私は渡辺曜であります! 曜ちゃんと呼んでくれてヨーソロー!」

花○「初めまして曜ちゃん」

曜「先生の小説読んでますよ!」

花○「ありがとうずら」

曜「今後はどういう展開になるんですか?」

花○「まだ考えてないずら」

曜「なるほど! 企業秘密でありますね!」

花○「面白い人ずらね」

 

21: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:28:42.75 ID:0TbttT5L.net
善子 (……口振りからすると記憶喪失とか? もしくはその振り?)

 

果南 (本物の花丸だったらね)

花○「」ジーッ

果南 (なんかさっきから善子のことちらちら見てるよ)

善子 (ひぃっ!?)

千歌「善子ちゃん、お酒」

善子「えっ、ええ。シャイニー水割り、どうぞ」コトン

花○「いただくずら」

ゴキュゴキュゴキュ

曜「おぉっ!すごい飲みっぷりでヨーソロー!」

曜「まるで……」

 

22: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:29:45.09 ID:0TbttT5L.net
果南「……」

 

果南「なんか食べるかい?」

花○「食べたいずら」

果南「千歌、オムライス作って」

千歌「はーい」

花○「楽しみずら」

果南「ねえマル。マルって呼ばせてもらうよ。知り合いにそう呼んでたそっくりなのがいたんでね。あたしのことは果南でいいから」

花○「わかったずら果南ちゃん」

果南「ねえマル。どうしてこんな寂れた店に来てくれたの? この辺が地元なの?」

花○「うーんと……覚えてないずら」

花○「ふらふらしててたまたま入ったらここだったずら」

 

23: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:30:46.83 ID:0TbttT5L.net
果南「ふぅん。ところでさぁ」

 

果南「スクールアイドルのAqoursは知ってるよね。うん、知らないわけないよね」

果南「あんたの書いてる話、私達Aqoursの辿ってきたものにそっくりなんだよ。あの時の様子をどこかで見ていたかのように。それもすごく近くで」

果南「でも関係ないはずのあんたにどうしたらあそこまで似た話が書けるのか不思議なんだよねぇ」

果南「で、パクったの? Aqoursの話」

花○「ずら」

果南「それは肯定なの? まあいいや」

果南「だったらさぁ、モデル料? 払いなよ」

果南「原稿料とか、本出たら印税も入るんでしょ? それこっちにも回すのが筋でしょ」

花○「いいよ。あげる」

善子「いいの!?」

果南「ふぅん」

花○「その代わり……」

果南「なに? 言ってみてよ」

 

24: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:31:48.58 ID:0TbttT5L.net
花○ (あのお団子の娘の連絡先が欲しいずら)ボソボソ

 

果南「あっはっは! よかったねぇ善子、先生が気に入ってくれたよ」

善子「えぇ……」

果南「もっと喜びなよ」

善子「う、嬉しい……です……」

果南「じゃ、あとで連絡取れるようにしといてあげなよ」

花○「」ヨシッ

千歌「オムライスできたよー」

花○「わーい」

果南「……ねぇ、あんたは私の知ってるマルなの?」

花○「うーんと……覚えてないずら」

果南「ぷっ、なんだそりゃ」

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25: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:32:50.17 ID:0TbttT5L.net
梨子「印税カツアゲしてるし……」

 

梨子「ていうか、印税入ってくるって言ってたのそのことだったのね……」

梨子「あのねぇ、花丸ちゃんとは別人なのよ? 全然関係ない人を脅してお金盗ってるけど」

果南「人聞き悪い言い方するね。向こうがいいって言ったんだからいいんだよ」

果南「瓜二つの顔、口癖、食べっぷり。何を取っても明らかに花丸なんだよ。でも私達がもう少し確信を持てないでいたのは、やっぱり7年前に死んでいるという強烈な事実のせい」

梨子「だから別人だけどね!?」

 

26: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:33:52.94 ID:0TbttT5L.net
果南「あれが私達のマルなのか、赤の他人の小説家花○なのか、見極める必要があった」

 

果南「そんで都合良く連絡先を手に入れた善子を使うことにした」

善子「酷いわよ全く……」

梨子「なんで言いなりになってるの……?」

果南「こいつ元々ウチのホストに入れ込んで借金まみれになってそのままウチで働いてるんだよね」

果南「だから逆らえないの」

梨子「そう……」

善子「ぐぬぬ……」

 

27: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:35:01.81 ID:0TbttT5L.net
果南「じゃあ善子、その後のマルとの出来事を話してやってよ」

 

善子「ええ」

善子「その後、花○先生はすっかり常連になったわ」

千歌「フードとお酒の売上すごいことになってたよね。頼んでなくても作って出せば絶対食べるし、しっかりお代つけたし」

梨子「うわあ」

 

28: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:36:05.58 ID:0TbttT5L.net
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バー十千万

果南「サッキノンダアツイオチャノセイカナーン♪」

千歌「果南ちゃんご機嫌だね」

果南「うーん、笑いが止まんないねぇ」

千歌「花○先生来るとお客さん数十人分の利益だもんね」

果南「それに善子目当てで頻繁に来るし」

善子「私のおかげね」

果南「で、連絡取ってるの?」

善子「向こうから毎日来るわよ。適当に対応してるけど」

果南「もっと気を引かせといて。大きな武器になるかもしれない」

曜「ところで果南ちゃん、『鈍獣』の新しい話載ってるでありますよ」

果南「見たよ、とっくに」

 

29: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:37:07.18 ID:0TbttT5L.net
果南「当然だけど連載は続いてるんだよね。それに関しては正直気が気じゃない」

 

果南「どのタイミングで爆弾投下してもおかしくないもん」

果南「モデル料払えって言っても動揺しなかったし、差し止めるのは骨が折れそうだ」

果南「もちろん、花○が別人で、全ては思い過ごしの勘違いって可能性もまだある」

果南「だから手荒なマネはまだしたくないんだよね」

曜 (もう印税は横取りしてしまってるでありますが)

果南「怪我させるとか以外で物理的に書かせないようにできればいいんだけど……」

 

30: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:38:24.16 ID:0TbttT5L.net
果南「そうだ、一緒に暮らせばいいんだ」

 

善子「は?」

果南「同棲して監視する。小説書く暇なんて与えなきゃいい。善子お気に入りだし、提案すれば乗ってくるでしょ」

善子「ちょっと、私がやるの!?」

果南「他に誰がいるんだよ。1日中体を求めて書かせるな」

善子「なんでそんなことまで!」

果南「ん、待った」

果南「噂をすれば、かなーん?」

カランコロン

花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「来たねマル。入りな」

花○「お邪魔するずら」

 

31: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:39:33.84 ID:0TbttT5L.net
果南「お仕事は順調みたいだね」

 

花○「おかげさまでずら」

果南「いやいや、こっちもおかげさまで……おっと、なんでもないよ」

花○「ずら?」

千歌「はい、シャイニーとロコモコ丼」ドンッ

花○「いただくずら」ムシャムシャ

ぐァつ ぐァつ ぐァつ

曜「ヒュー。相変わらずいい食べっぷり」

果南「ほんとだねー。そうだ、マル」

果南「マルは一人暮らしでしょ? 家で料理なんかしてくれる人がいたら楽じゃない?」

花○「とても助かるずら」

果南「なんなら住み込みで作ってくれたり」

花○「ずら」

果南「ご飯作ってくれて一緒に住んで、それってもう恋人みたいなもんだよね」

花○「ずら」

 

32: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:41:00.78 ID:0TbttT5L.net
果南「そーだよねぇ。さて、ここにいる善子がさぁ、生き遅れないか心配なんだよねあたしは」

 

果南「料理もできるし、悪い子じゃないし」

果南「あーあ、どっかに善子をもらってくれる善子のことを好きな人がいないかなーん」

花○「……」

善子「……」

果南 (流石に強引だったか? いや……)

花○「じゃあ、オラが立候補してもいいずら?」

果南「ビンゴ! もちろん! 即決だよ!ねえ善子!!」

花○「えへへ」

善子 (勝手に進めるな……!)

果南「さっそくマルの家に住まわせてやって欲しいな」

花○「いつでも大丈夫ずら」

果南「よし! お世話になってきな!」

花○「燃えてきたずら~」

果南「はっはっはっ!」

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33: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:42:03.05 ID:0TbttT5L.net
梨子「ちょっと待って……」

 

千歌「待つよ」

梨子「善子ちゃん」

善子「はい?」

梨子「先生と……寝たの?」

善子「そりゃまあ……同棲してたし……まあ一応……」

梨子「…………ぅぅ~~」

梨子「むふぅ~~~くぅ~~~」ボロボロ

千歌「うわっ、泣いちゃった」

梨子「私……先生好きだったのにぃ~~………!!」

善子「えぇっ!? それはごめんなさいというか……でも知らないわよそんなの」

 

34: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:43:10.96 ID:0TbttT5L.net
果南「まあまあ、落ち着きなって」

 

梨子「グスッ……それは一旦さておき……」

梨子「色々頑張ってたみたいだけど、『鈍獣』が休載したことはなかったはずよ」

果南「そうなんだよなーん」

 

35: 2019/10/13(Sun) 06:44:32 ID:0TbttT5L.net
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バー十千万

果南「善子ォ!!!」

善子「ぎゃっ!! なんなのよもう!」

曜「隣町まで響いちゃうよ」

果南「ちゃんと見張ってたのかお前はァ!!?」

果南「見てみろこれ最新話の『鈍獣』だ! また載ってるぞ!!」

善子「ずっと監視してたわよ……でも見てた限りじゃ書いてる素振りはなかったわ」

善子「私が仕事に行く時も、少し遅れてすぐに十千万に来てたでしょう?」

善子「小説家っていうの嘘なんじゃないかしら」

果南「じゃあなんでまだ連載が続いてるんだよ」

千歌「今日は先生はどうしてるの? いないみたいだけど」

善子「ああそれは――」

 

36: 2019/10/13(Sun) 06:45:55 ID:0TbttT5L.net
果南「どうでもいいそんなこと!!」

 

果南「もう放っちゃおけないよ。日和ってられない」

果南「今回の『鈍獣』はあたし達の問題の核心に近付いてきていた……」

果南「そのうち必ず暴露するぞ……」

果南「何が目的なんだ! 復讐か!? あれを公表すれば自分の首だって絞めるんだぞ!」

千歌「もうこうなったらダイヤさんとかに頼んでまた……」

果南「ダイヤも鞠莉も、もう殺しの方は応じちゃくれないよ」

果南「あの時にずいぶん呆れられちゃったからね」

千歌「でも事情を話せばきっと……」

果南「死んだ花丸が蘇ってあたし達を陥れようとしてるって? 出来の悪いジョークだよ全く」

 

37: 2019/10/13(Sun) 06:47:02 ID:0TbttT5L.net
果南「もう自分でやっちまうか……」

 

曜「後処理なら私も協力するでありますよ!」

果南「おっ、警官に言って貰えると心強いね」

カランコロン

花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「……」

果南「なにやってんの二人とも、お客様だよ」

果南「ちゃんとお出迎えして」

千歌「いらっしゃいませー」

善子「いらっしゃいませ……」

曜「今日も一緒に飲もうであります!」

花○「ずら~」

 

38: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:48:25.17 ID:0TbttT5L.net
千歌「シャイニーでいいですか?」

 

花○「いいずら」

千歌「はーい」ゴソゴソ

果南 (……貸して)

千歌「あっ」

果南「……」ゴソゴソ

曜 (!! 果南ちゃんそれは……!)

千歌 (殺鼠剤のリンチャンイラズ!?)

果南「ねぇマル」

花○「ずら?」

果南「あんたの書いてる小説、次回あたりには何か驚きの展開があるんじゃないの? 相当ヤバいのが」

果南「構想練ってあるなら教えてよ」

花○「うーんと……覚えてないずら」

 

40: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:49:39.75 ID:0TbttT5L.net
果南「……もしマルが私達のマルでも、そうじゃないとしても、これ以上変なこと書かれるのはよくないんだよね」

 

花○「変なことは何も書いてないずら。書けるわけないずら」

果南「これからもそんなつもりはないって?」

花○「もちろんずら」

果南「ふぅん」

果南「そっか」ニッコリ

果南「はい、どうぞ」コトン

花○「いただくずら」

曜 (先生ェそれにはリンチャンイラズが……ひえぇぇ~~……)

ゴキュゴキュゴキュ

果南 (バイバイ、マル)



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41: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:53:30.38 ID:0TbttT5L.net
梨子「……」

 

梨子「いっぱい、言いたいことあるんだけど、順番に聞くわね」

梨子「曜ちゃん、警察官だったんだ……」

曜「人は警官ではないと言っていない以上、誰しも警官である可能性はあるのであります!」

梨子「あ、そう……」

 

42: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:54:34.79 ID:0TbttT5L.net
梨子「で、さんざん引っ張ってきた暴露とか復讐とかって、そもそも何があったのよ?」

 

果南「あっそれ知りたい?」

善子「ここから先は逃れられぬカルマ……」

梨子「黙ってて!!」

善子「」シュン

果南「んーまあなんつーか」

果南「私がマルを殺しちゃったんだよね。7年前に」

梨子「はあ?」

果南「そんなつもりはなかったんだけどさ、あいつがぬるい事言うから……」

 

43: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:55:42.65 ID:0TbttT5L.net
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―――

 

「~~~」

「今更そんなこと言ってられっか! こンのわからず屋ァ!!」

「なにをするずら! やめるずら!」

「痛い痛い痛いぎぃぃぃやぁぁぁああ~~~~!!!!」

メリメリメリッ

「はぁ……はぁ……」

「クソッ……やっちまった……」

「ンマー! メンバーにまで手を出すのはいけませんことよ!」

「しばらくは大人しくすると約束するデース」

「わかってるよ……」

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44: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:56:44.98 ID:0TbttT5L.net
果南「梨子は途中で転校してきたからさ、いわば外の人間ってわけだ。だから知らないのも無理はない。沼津では神隠しなんて珍しいもんじゃないんだよ」

 

千歌「要人がたまに消えちゃうことってあるよね。あの頃だと餃子屋の人とか、あとは……」

千歌「有力候補のスクールアイドルとか」

梨子「信じられない……私以外はみんな承知で……?」

果南「そうだよ。ラブライブで勝つために、仕方なく」

果南「疑問に思わなかった? まともにやってたら私達が全国の猛者達を相手に勝ち抜いていけるわけがない」

果南「まあ花丸は耐えられなくなってああなっちゃったけど」

果南「時機が来たら梨子にも言おうと思ってた。でも、花丸の死を受けて卒業後は東京に行っちゃったからね」

果南「知らないなら知らないで、そのままの方がいいと判断した」

 

45: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 06:59:25.36 ID:0TbttT5L.net
梨子「花丸ちゃんはハグ死だったのね」

 

梨子「なるほどね……花丸ちゃんが自分を事故死扱いで処理したことをバラすと思って、疑惑の花○先生を殺そうとしたのね」

果南「最悪ほかのことは証拠を揃えるのは難しいからともかく、花丸の殺害は花丸自身が証人だ。それが明るみに出るのはまずい」

果南「ところで、花○先生はリンチャンイラズを飲んで死んだかもしれないのに、ずいぶん冷静だね」

梨子「先生が失踪したのは『鈍獣』の単行本が出たあとで、つい最近だもの。連載中の時点の話ってことはまだ心配ないわ」

梨子「それより先生はいま無事なのかどうかが聞きたいんだけど?」

 

46: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:00:45.27 ID:0TbttT5L.net
果南「……」

 

果南「あいつ死なないんだよ……何をやっても……」

果南「リンチャンイラズをどれだけ飲ませたと思う?」

果南「リンチャンイラズのシャイニー割り、リンチャンイラズ入りヨキソバ、リンチャンイラズ入りAqours丼!」

果南「飲み過ぎて気持ち悪くなって帰ることがせいぜいで、翌日元気になってやってくるんだよ」

梨子「先生、強いのね」

果南「いやーまいったよ。手段を選ばずやっていったのはこっちなのに、逆に追い詰められてるようだった」

果南「アレでさえ通用しなかったし」

梨子「アレ?」

 

47: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:01:50.78 ID:0TbttT5L.net
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バー十千万

果南「なんなんだよアイツはァ!!」壁ドゴォ

果南「殺鼠剤連日しこたま飲んどいてなんで死なないの!?」

曜「果南ちゃんじゃあるまいしね」

果南「キッ!」

曜「ヨーソロー……」

果南「気味悪いからって善子も同棲解消して逃げてくるし」

善子「当たり前でしょ! 気色悪い!」

果南「まあいい、監視も意味なかったしね」

果南「ん? 待てよ……」

 

48: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:03:44.31 ID:0TbttT5L.net
果南「善子!あたしら昔一緒に温泉入ったよな? 2年生組抜きで!」

 

善子「ええと……そうだっけ……」

果南「その時花丸の乳首が3つあるって騒いだろ!?」

善子「……ぁあーっ! あったあった!! その場のメンバーだけの内緒にしようって!!」

千歌「へーそうなんだ」

曜「内緒のままでよかったであります」

果南「そんで同棲中に花○と寝たんたなら見たろ! 裸!」

果南「左胸の下! 第3の乳首あったか!?」

善子「いちいち見てないわよそんなの」

果南「」ドゴォッ

善子「ピギッ」

 

49: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:05:30.27 ID:0TbttT5L.net
果南「今日はひと味違うよ」スッ

 

千歌「なにそれー?」

果南「トリカブト。この前山頂アタックして仕入れてきた」

果南「効果はリンチャンイラズの数十倍のはず」

曜「おぉーそれならいけそうでありますな!」

果南「たぶん気を失うぐらいはすんだろ。そんで倒れたあとは、船で沖まで運んで海の音を聞いてもらおう。一番よく聞こえるところで」

果南「昨日もいっぱい飲ませたけど、死んでないならそろそろ来る頃だ」

果南「善子、パンケーキ丼作っといて。トリカブト混ぜてね」

善子「ピギィッ……」フラフラ

 

50: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:07:04.62 ID:0TbttT5L.net
カランコロン

 

花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「やってるよ」

花○「お邪魔するずら」

曜「ヨーソロー!」

千歌「どうぞー(リンチャンイラズの水割り)」

花○「ありがとうずら」

果南「ねぇマル。急に善子が出ていったみたいで悪かったね。紹介したの私だし、責任感じてるよ」

果南「ほら、謝って」

善子「すみません……」

花○「人には相性があるずら。気にしてないずら」

果南「心遣い感謝するよ」

果南「お詫びのしるしに、善子がパンケーキを作ったんだ。食べてくれるかな?」スッ

 

51: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:08:17.25 ID:0TbttT5L.net
花○「嬉しいずら」

 

花○「いただくずら」

花○「」モグモグ

花○「……!」

花○「ムグ……ウッ……」

花○「オエェェエ!!」ジタバタ

果南「やった! 流石にこれは応えたか!!」

果南「曜! 車まで運ぶよ!」

曜「了解!」

花○「ウグッ……」バタッ

果南「……死んだ? とにかく海まで……」



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52: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:09:33.55 ID:0TbttT5L.net
梨子「……」

 

果南「……」

梨子「少なくともつい最近までは生きていたって知ってるからあれだけど」

梨子「本当なら殴りかかりたいところよ。よくもそんなことができたわね……」

果南「大丈夫、沈めてないから。な、曜」

曜「車に乗せたはよかったけど、少ししたら気分良くなったって起きちゃったんだよね」

梨子「無敵か……」

果南「そうこうしてるうちにタイムリミットさ」

果南「『鈍獣』の連載は終わり、単行本になった」

千歌「NOK賞も取ったんだよね。すごいよね」

 

53: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:10:47.47 ID:0TbttT5L.net
梨子「そう、それで私から受賞を伝えたかったのに、その時から先生に連絡が取れないのよ」

 

梨子「あれ? そういえば結局Aqoursの悪事の秘密は描かれなかったわよ」

果南「ああ、全部読んだから知ってるよ」

梨子「じゃあ、もう殺す必要はないのね! 別人ってこともわかって!」

梨子「さあ、先生はどこ?」

 

54: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:12:06.47 ID:0TbttT5L.net
果南「……」

 

果南「梨子は、今日ここまで、列車で来たんだよね」

梨子「ええ」

果南「途中で、鉄橋、あったろ? そのあたりで急停止しなかった?」

梨子「ええ。確か障害物がどうとかで……」

梨子「……」

梨子「まさか……」

果南「……」

千歌「……」

曜「……」

善子「……」

梨子「最低よあなたたち!」ダッ

 

55: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:13:11.67 ID:0TbttT5L.net
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花○「こんなところまで来て手錠までかけてなんの遊びずら?」

果南「いいからこのダンボールに入ってて」

花○「ずら」

果南「曜、手錠サンキュー。あと、銃も貸しといて」

曜「いいよー」スッ

果南「オッケー。先に店戻ってていいよ」

果南「そういや梨子がこっち向かってるんだってね」

曜「私がお出迎えするんだよ!」

果南「うん、歓迎してやろう」

曜「じゃ、お先に!」

果南「うーい」

 

56: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:14:14.21 ID:0TbttT5L.net
果南「さて」

 

果南「ねぇマル」

花○「ずら?」

果南「結局どっちなんだ? あんたは」

花○「ずら」

果南「まあ、どっちでもいいか」

果南「でも一応確認しとこうか。確認できる手段があるんだから」

 

57: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:15:16.71 ID:0TbttT5L.net
果南「……」スッ

 

果南「あるね」

果南「あんた、花丸か」

花○「ずら」

ドンッ ドンッ

花○「うっ……」ドクドク

果南「両足撃ち抜けば動けないだろ」

果南「じゃあね」スタスタ

ゴォォォォーーーー

キキィーーーッ

ドッ

「線路内に障害物があったため、列車を急停止しています。ご迷惑をおかけします」

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58: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:16:44.13 ID:0TbttT5L.net
梨子「最低よあなたたち!」ダッ

 

カランコロン

ドンッ

梨子「痛たた……」

梨子「えっ? あなた、血だらけで、ボロボロ……」

花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「マル! よく来たね!」

千歌「いらっしゃいませー」

善子「いらっしゃいませ」

曜「今日も一緒に飲むヨーソロー!」

花○「ずら~」

 

59: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:17:35.32 ID:0TbttT5L.net
終わり

 

61: 名無しで叶える物語 2019/10/13(日) 07:21:42.15 ID:0TbttT5L.net
元ネタ
宮藤官九郎『鈍獣』

引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1570914390/

怖い怖い。どういうことなのか。